抄録
Haemophilus paragallinarum 血清型1菌株の3種類の赤血球凝集素(HA-L, HA-HL, およびHA-HS)の血清学的および免疫学的異同が調べられた. 各赤血球凝集素の赤血球凝集抑制(HI)抗体産生能および成果防御能には大きな差を認めた. すなわち, HA-L注射ひなはHA-LとHA-HLとに対するHI抗体を産生し, 感染防御を示した. HA-HLに対するHI抗体のみを保有するひなでは感染防御は認められず, また, HA-HS注射ひなは非特異的HI抗体産生能を有するが, やはり防御能を欠いた. HA-Lの感染防御能は121℃2時間の加熱で失活したが, 72℃~l00℃30分間の加熱では一部残存した. しかし, HI抗体産生能はこの加熱によって消失した.