日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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犬の陰睾に関する研究 : 発生状況および精液性状について
河上 栄一筒井 敏彦山田 陽一山内 亮
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1984 年 46 巻 3 号 p. 303-308

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抄録
雑犬について陰睾発生率を調べた後, 発情雌犬に対する性行動を観察し, さらに相手法により精液採取を行い, 射精能および精液性状について検討した。調査した2,365頭の雄大の陰睾発生率は 1.2%(29頭) で, いずれも片側性で左右発生率に大きな差はみられず, 8頭が腹腔内, 21頭が鼠径部陰睾であった。これら陰睾犬では, 性欲が弱く, 射精能を調べた19頭中8頭では射精が認められなかった。また,正常犬の精液性状と比較し, これら陰睾犬の総精液量・総精子数は, それぞれ平均7.2ml, 1.2×108で, 精子活力はやや低く, 総奇形率・未熟精子出現率は平均20.2%, 19.4%と高く, 精液性状は全般的に不良であった。
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