抄録
肥育用配合飼料および圧ぺん大麦多給時における牛の第一胃内容物および血漿中のヒスタミンの採食に伴う変動について観察した。第一胃カニューレを装着した実験牛3頭を圧ぺん大麦のみ100%給与区 (飼料区1 ), 牛肥育用の配合飼料50%と大麦50% (飼料区2), 配合飼料75%と大麦25% (飼料区3), ついで配合飼料のみ100% (飼料区4) で各4~5週間順次飼育し, さらに4~5週間, 乾草, ヘィキューブ, 稲わらと配合飼料 (飼料区5) で飼育した。血液, 第一胃液および尿の採材は各飼料区の最終日に行った。第一胃内のヒスタミン濃度はすべての濃厚飼料給与区 (飼料区1~4) において飼料区5より高い値を示した。とくに飼料区3と4では著明に高く, 採食後その濃度は最高値に達した。血漿ヒスタミン濃度は飼料区3と4で採食前に飼料区1, 2と5よりも明らかに高い値を示した。飼料区1と2では採食後, 特異的な変化を示さなかったが, 飼料区3と4では採食後著明に増加した。以上の結果から, 配合飼料を多給した場合は第一胃内容物のヒスタミン濃度は採食後著しく増加し, この増加が血中濃度に反映するものと思われた。