日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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西日本地域の馬飼養地2箇所から採集した蚊からのゲタウイルスの分離
熊埜御堂 毅福永 昌夫鎌田 正信今川 浩安藤 泰正和田 隆一新田 仁彦秋山 綽
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1986 年 48 巻 6 号 p. 1191-1197

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抄録
西日本地域の馬飼養地2箇所において, 1980年5月11日~11月18日の期間, 隔週に採集した雌成虫蚊33,604匹から, Vero及びHmLu-1細胞培養によって計13株のウイルスが分離された。これら13株中4株はゲタウイルス, 9株は日本脳炎ウイルスと同定された。ゲタウイルス4株中3株は宮崎競馬場から採集されたコガタアカイエカ200プール19,465匹から分離され, 感染率は1:6,488であった。残りの1株は栗東トレーニング・センターで採集された5,897匹のコガタアカイカから分離された。宮崎競馬場及び栗東トレーニング・センターにおけるコガタアカイエカは全採取蚊種のそれぞれ85.1%及び54.5%を占め, 両調査地において捕獲されたキンイロヤブカは2%以下であった。以上の成績から西日本地域の散発的ゲタウイルス感染症においては, コガタアカイエカが主要ベクターであることが示唆された。
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