日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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小莢膜保有K. pneumoniae莢膜型1の健康種雄馬精液および子宮内膜炎羅患馬子宮頚管における存在およびその大莢膜保有株との毒力の比較
菊池 直哉高柳 直哉小坂 祐司平棟 孝志梁川 良
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1988 年 50 巻 2 号 p. 313-323

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抄録
小莢膜保有K. pneumoniae莢膜型1の健康種雄馬精液および子宮内膜炎罹患患馬子宮頸管における存在を調べ,さらにマウスに対する毒力および好中球による被食菌の程度について,大莢膜保有株と比較検討した. 小莢膜保有株は,莢膜の厚さが1.3-2.2μmで,大莢膜保有株は,莢膜の厚さが3.0μm以上であった. 種雄馬精液由来K. pneumoniae 5株中4株(80.0%)が小莢膜保有株であり,1株(20.0%)が大莢膜保有株であった. 一方,子宮頸管由来K. pneumoniae 83株中7株(8.4%)が小莢膜保有株であり,他の76株(91.6%)が大莢膜保有株であった. このように,種雄馬精液と子宮内膜炎罹患馬子宮頸管において,小莢膜保有株および大莢膜保有株の分離率に差が認められた. 小莢膜保有株は,マウスに対して弱い毒力(精液由来株,LD50が107-108 CFU),または中等度の毒力(子宮頸管由来株,LD50が105 CFU)を示し,ウマ,マウスの好中球に容易に食菌された. 一方,大莢膜保有株は,精液および子宮頸管由来を問わず強い毒力(LD50が102-104 CFU)を示し,好中球の食菌作用に抵抗し,ほとんど食菌されなかった.
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