日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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Chuzanウイルス (オルビウイルス属パリアム群に属する新しいウイルス) の牛に対する病原性
三浦 康男後藤 義之久保 正法甲野 雄次
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1988 年 50 巻 3 号 p. 632-637

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抄録

4頭の牛(1ヶ月~3才才)にChuzanウイルス(CV)を静脈内接種したところ, 軽度の白血球減少を示したのみで, その他の症状を示さなかった. CVは血漿中では接種後3~12日にわたり断続的に検出され, 全例の赤血球から2週間にわたり, 個体によっては, 8週後まで断続的に検出された. 白血球分画からはCVは検出できなかった. 一方, CVを脳内接種した2頭の子牛(1ヶ月及び6ヶ月齢)は食欲不振, 発熱等を示し, 顕著な神経症状を示して瀕死状態となった. 接種後6及び7日後に剖検したところ, 脳各部位からCVが検出され, 1頭のリンパ組織からもCVが検出された.

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