抄録
Vibrio fluvialisおよびVibrio furnissiiの環境由来株(40株)およびヒト下痢症由来株(8株)について, 兎結紮腸管ループ試験, 株化細胞(CHO-K 1)の伸長(CEF)・致死作用(CKF), その他の生物活性を調べた. 下痢症由来株のすべてはV. fluvialisで, ループ試験では液体貯留を示した. 環境株は両菌種ともに陽性数は少なく, またFA値も低かった. CHO試験では, 48株中39株がCKFを有し, 18株がCEFを有し,ー部のCEFは抗コレラ毒素血清(ACT)により中和されたが, CKFは中和されなかった. また, 38株のポリミキシンBによる抽出物中26株において, ELISAでCT陽性反応が認められたが, CEFと下痢原性の関連性については確認できなかった. マウス致死作用及び赤血球溶血作用は株の由来, 菌種による区別なく多くの株で認められた.