抄録
豚の増殖性腸炎(PE)由来Campylobacter mucosalisのホルマリン処理菌体を抗原として血清型別を試みた. 参照株13株について免疫血清を作製し, 加熱処理したホモ抗原及び交差凝集の認められた菌株による吸収を行なった. その結果, 従来報告されている3種の血清A, B, Cに加えて新たに7種の血清型の存在が確認された. これら計10種の抗血清を用いてPE由来C. mucosalis717株の血清型別を実施したところ, 596株が血清型A, 1株が血清型B, 14株が血清型Cと同定された. 残り106株は新しい血清型に属することが明らかになった.