妊娠末期の胎仔および自然分娩あるいは帝王切開による新生仔について, 動脈管および肺動脈を観察した. 動物をドライアイス・アセトンで急速に全身凍結し, メスを用いて, 実体顕微鏡下で観察しながら, その胸部を背側から少しずつ薄切し, 接眼レンズに挿入したマイクロメーターを用いて動脈管と肺動脈の内径を測定した. その結果, 動脈管は自然分娩180分後には, ほぼ閉鎖していた. 一方, 帝王切開により得た新生仔では90分後にほぼ閉鎖していた. このことから, 動脈管の閉鎖過程は帝王切開により促進することが明らかとなった. 肺動脈の内径は, 自然分娩, 帝王切開に関係なく, 出生後の観察期間中ほぼ一定の値を示した.