ニューラルネットワークが適用されてきた対象を中心として,深層学習(ディープラーニング)への置き換えが進み,高精度化,効率化に寄与したという報告が多くなされている.しかし,得手不得手があることが明らかにされ,適切な教師データの取得・生成の難しさ,パラメータ選択依存性なども指摘されている.中でも,「高い性能を示す理由が明らかでない」という点が問題になっている.これに対して,深層学習の仕組みを探る研究が,理論的に,また内部状態の詳細な分析によって行われている.後者の一つの方法がディープビジュアリゼーションである.本稿では,はじめに,ニューラルネットワークに基づき,深層学習の基礎を説明する.次に,高い性能を示す理由に関して,ディープビジュアリゼーションによって「何がどこまで明らかにされつつあるか」,また「理由はわからずとも中間構造を利用している例」を紹介する.