可視化情報学会誌
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有限要素法を用いた扁平足のモデリングと手術シミュレーション
―患者固有の手術に向けて―
王 忠奎
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2019 年 39 巻 152 号 p. 25-30

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抄録

 本稿では,扁平足患者固有の手術に向ける第一歩として,一例の扁平足と一例の健常足の有限要素モデルを構築し,立位シミュレーションを行なった.実験で計測した足底圧と比較することによって,モデルの有効性を検証した上で,扁平足から健常足に近づく足底圧の傾向をまとめた.踵骨骨切術(MCO)のシミュレーションを通して,四つの手術パラメータの影響を定量的に評価した.評価結果により,横断面骨切り角度βとずらし距離dは手術への影響が顕著である一方,矢状面骨切り角度αと骨切り位置pは手術への影響が無視できることが分かった.これから,症例数を増やすことと術後データに基づく検証することによって,モデルと手術シミュレーションの有効性をさらに検討する予定である.最終的に,扁平足患者固有の手術を実現するため,手術シミュレーションを通して,外科医に適切な手術や手術パラメータに関する有益な情報を提供することを目指している.

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© 2019 社団法人 可視化情報学会
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