2023 年 43 巻 167 号 p. 2-6
我々の生活を支える構造物は,使用期間に,外力や荷重に耐える必要な力が得られるか,極めて重要である.ただ我々には,“力の情報”は見えない.力学挙動に関して機能劣化したか,見ることはできない.経験や知見から適切に予測して設計に反映し,経験を蓄積したデータベースを基に強度予測を行う.しかし,現在有する過去の知見やシミュレーションは,本当に正しいのか?思い込みは無いか?気づいていない情報は無いか?常に疑問は残る.さらに現場の人間が,その場で分かる,という現場戦略も重要である.この課題に対して,我々は独自に開発した“ダイナミックなひずみ分布を可視化できる”応力発光技術を活用し,構造材料や構造物に由来する“力の情報(ひずみ分布情報)”の可視化を行ってきた.本項では、応力発光技術を紹介すると共に,その可視化戦略,更に可視化情報活用としての健全性モニタリング,設計や予測の向上,規格開発を紹介する.