日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
大麦を主原料とした配合飼料を用いた雄子ヤギの育成
長嶺 樹 砂川 勝徳内藤 唯宮平 文寄川野 秀人
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2015 年 58 巻 2 号 p. 165-178

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抄録

本研究では,大麦を主原料とした配合飼料が子ヤギの育成に利用可能か否かを調べた.実験1 では,雄ヤ ギ6 頭 ( 日本ザーネン種×ヌビアン種, 2.4 才齢) を供試した.3 週間に亘り,アルファルファヘイキューブの 給与量を徐々に減少させ,大麦の給与量を1 日に50 g ずつ飽食に達するまで増量した.大麦50%給与時の第 一胃液性状及び第一胃収縮頻度は正常であり,鼓張症やアシドーシスは観察されなかった.実験2 では,雄ヤ ギ12 頭 ( 日本ザーネン種×ヌビアン種, 3 カ月齢) が2 区 ( 対照飼料区 (CFG), 大麦配合飼料区 (BFG)) に6 頭 ずつ配置された.CFG にはコーン43% 配合飼料を,BFG には大麦43% 配合飼料を給与した.各配合飼料及 びアルファルファヘイキューブは,個別に1 日2 回給与した.乾草と飲水は自由摂取させた.3-12 カ月齢ま で,体重及び体各部位のサイズを月1 回測定した.12 カ月齢時に屠畜し,枝肉及びロース肉の性状を分析した. 各配合飼料及びアルファルファヘイキューブは,給与量全量が採食された.乾草採食量は,CFG と比較して BFG が4 カ月齢までは有意に少なく、5 カ月齢以降は有意に多かった.BFG における動物の成長速度及び枝 肉重量は,CFG より有意に大きかった.BFG のロース肉は,CFG よりγ - アミノ酪酸やカルノシンを多く含 んでいた.本研究の結果は,大麦がヤギ育成用飼料の主原料として利用できることを示している

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© 琉球大学農学部
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