日本暖地畜産学会報
Online ISSN : 2185-1670
Print ISSN : 2185-081X
ISSN-L : 2185-081X
ヤギ乳成分の産地間差および季節変動
中島 悦子川添 建太郎森山 洋憲吉金 優沢村 正義
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 63 巻 2 号 p. 101-111

詳細
抄録

本研究では,ヤギ乳の成分特性を調べた.ヤギ乳では牛乳よりも乳脂肪分,タンパク質および乳糖の含量が有意に低く(P<0.05),乳固形分は牛乳と同程度含まれていた.ヤギ乳中の一般成分については,季節変動と産地間の差が認められた.ヤギ乳では中鎖飽和脂肪酸(以下,MCSAFA)の割合が平均21.0%であるのに対し,牛乳のそれは13.1%であった.MCSAFAの割合は,6,10および11月で,他の月よりもやや高かった.ヤギ乳は年間平均5.4mg/100mLの遊離タウリンを含有し,牛乳のそれの2倍程度であった.遊離タウリン含量は産地によって異なるとともに,季節によっても変動し,4~5月において最も高く,徐々に低下した.ヤギ乳中のαS1-カゼインは,牛乳と比べて極めて少なかった.以上より,ヤギ乳は牛乳よりもMCSAFAとタウリンを多く含むが,αS1-カゼインは極めて少ないという成分特性を示した.

著者関連情報
© 2020 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top