日本暖地畜産学会報
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一般論文
配合飼料へのアロエベラの混合が嗜好性とヤギの栄養および内臓器官の代謝機能に及ぼす影響
長嶺 樹渡谷 真月砂川 勇人酒井 宏
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2023 年 66 巻 2 号 p. 53-59

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抄録

輸入飼料依存による飼料費増大の抑制は畜産農家の課題であり,その解決策の1つがエコフィードで あるが,開発には嗜好性と有用性の解明が必須である.本研究では廃棄されているアロエベラに着目し,アロエベ ラ配合飼料の嗜好性と有用性の解明を試みた.ヤギ8頭(雄雌各4頭,2群に無作為配置)を供試し,対照区(市販飼料)と試験区(アロエベラ飼料)を設定した.嗜好性試験では採食量と採食時間を調査した.給与試験では体重,BCS,FAMACHAスコア計測,血液分析を行った.試験区で良好な嗜好性を示した動物の採食時間は嗜好性の良い対照区と差がなかった.試験区の体重 ,BCS,FAMACHAスコアは対照区と同様であり,栄養状態と内臓器官 の代謝機能も飼料間で差がなかった.以上より,アロエベラ配合飼料は馴致が必要ではあるが短期給与では嗜好性は良好で,栄養状態,代謝機能に問題はなく,飼料費抑制が可能であることが示された.

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