日本暖地畜産学会報
Online ISSN : 2185-1670
Print ISSN : 2185-081X
ISSN-L : 2185-081X
一般論文
阿蘇の採草地における作溝型簡易草地更新機を用いたペレニアルライグラスの追播時期の検討とその費用対効果および野生動物の食害の影響
野﨑 由美 古田 雅子津田 健一郎吉田 大志小栁 藍夏猪野 敬一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 68 巻 1 号 p. 13-21

詳細
抄録

作溝型簡易草地更新機を用いたペレニアルライグラスの追播適正時期と追播に係る費用対効果について調査した.併せて同草地内に獣害対策区を設け,野生動物による食害の影響を調査した.調査項目は利用3年間の収量性・植生の変化とした.追播時期については,8月下旬,9月上旬,9月下旬の3区で比較した結果,収量性は試験区間で有意な差はなかった.草地の植生は8月下旬に追播することでペレニアルライグラスの冠部被度が40%以上と最も高くなり,植生が改善されることが分かった.2年目以降はペレニアルライグラスの冠部被度が減少し,乾物収量,TDN収量も無追播区と有意な差がなく,追播の効果は1年間のみであった.追播効果がみられた利用1年目においては,更新コストが相殺され,2,325円/10aの費用対効果があった.

野生動物の食害については,1番草乾物収量は利用1年目と3年目でそれぞれ39%,31%減少していた.

日本暖地畜産学会報68(1):13-21,2025

著者関連情報
© 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top