1987 年 30 巻 p. 25-29
10ヵ月齢の無角和種去勢牛24頭を供試し, 1シーズン及び2シーズン放牧による肥育素牛の育成とその後の肥育による産肉性を検討した。1・2S区とも放牧育成期間中の補助飼料として, 濃厚飼料を対体重比で0.5%及び0.3%給与する区を設けた。
1.放牧育成牛のDGは1Sの0.5%区0.64kg, 0.3%区0.29kg, 2Sはそれぞれ0.51kg, 0.44kgとなり1S・0.5%区の増体が良かった。
2.肥育期のDGは1Sの0.5%区0.95kg, 0.3%区0.97kg, 2Sはそれぞれ0.62kg, 0.87kgとなり1Sで良い成績を得た。
3.濃厚飼料摂取量は1Sの0.3%区で2.134kg, 粗飼料では2S・0.3%区が3.901kgと最も多く, 1kg増体に要したTDN量は1S・0.5%区が6.99kgと最も少なかった。
4.枝肉成績は, 2S区で肥育期間が短かかったため背脂肪厚が8.7~10.8mmと薄かったほかは区間に大差がみられなかった。脂肪色は3ヵ月以上青草を断ち肥育すれば全く問題はなかった。
5.濃厚飼料費は1S区, 粗飼料費は2S区が高かった。販売価格に対する飼料費の割合は1S・0.5%区が30.9%と最も低く, 差益においても1S・0.5%区が最も多くなった。