抄録
無窓鶏舎に適した噴霧方式によるニューカッスル病 (ND) ワクチネーションプログラムを確立するために, 噴霧接種時の粒子の大きさ及び環境温度の影響について検討した。
噴霧粒子の影響については, 4日齢にND・IB混合生ワクチンを粒子50μ, 100μ, 200μの各噴霧区と対照区 (飲水) の4区を設定して, 試験を行った結果, 2月ふ化雛では, 呼吸器症状が噴霧2日後より4日間発生し, 死亡鶏が50μ区に17.3%, 100μ区に12%, 200μ区に4%発生した。これらの副作用は噴霧区では200μ区が比較的軽く, また, 対照区には認められなかった。6月ふ化雛では, 各区とも副作用はみられなかった。
環境温度の影響については, 育雛室の温度を15℃, 20℃, 25℃にした3区を設定し, 7日齢に粒子200μで, 噴霧接種により試験を行った結果, 2月ふ化雛では, 呼吸器症状が2~3日間発生したが死亡鶏はなかった。3月ふ化雛では, 呼吸器症状が15℃区と20℃区に噴霧2日後より, 25℃区に噴霧5日後より8日後まで発生した。死亡鶏は15℃区に6.7%, 20℃区に5.6%, 25℃区に2.2%発生した。副作用は25%区が比較的軽かった。