西日本畜産学会報
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受精培地に添加したヘパリンが体外受精後の牛胚の発育に及ぼす影響
上田 修二大崎 順子田口 清実
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1991 年 34 巻 p. 43-45

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抄録

受精培地Brackett & Oliphant液 (以下BO液) に添加したヘパリンナトリウム (以下ヘパリン) が, 牛体外成熟卵子の体外受精後の発育に及ぼす影響を検討した。10μgヘパリン/mlを添加したBO液に浮遊した精子を20-24時間成熟培養した卵子に媒精し, 胚の発育状況を調べた。次に, ヘパリン処理する際, 精子濃度を10×, 20×106/ml, 卵子―精子共培養時間を3, 6時間として, 胚の発育状況を調べた。
(1) BO液にヘパリンを添加すると, 分割率及び胚盤胞への発育率がヘパリンを添加しなかった場合に比べて明らかに高くなった。特に, ヘパリンを添加しなかった場合に発育率が低い精液では, ヘパリン添加の効果が顕著であった。
(2) 卵子―精子共培養時間の短縮が, 胚盤胞への発育率に影響を及ぼさなかった

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