西日本畜産学会報
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チェダーチーズ中の最適pH6.0のプロティナーゼ
井越 敬司小林 弘昌
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1998 年 41 巻 p. 9-13

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抄録

チェダーチーズよりpH6.0に最適pHを有するプロティナーゼをDEAE―セファデックスクロマトグラフィ―, DEAE―セファデックス再クロマトグラフィ―およびセファデックスG-200によるゲル濾過クロマトグラフィーによって比活性にしておよそ50.8倍, 収率1%として部分精製した。本酵素の最適温度は30℃, 分子量はおよそ210, 000であった。この酵素はDIFPによって強く阻害された。また, EDTAによっても阻害され, Mn2+で活性の賦活化が認められた。従って, 本酵素は活性発現に金属イオンが関与するセリンプロティナーゼと推定された。本酵素はβ-カゼインを分解したが, αs1-カゼイン (αs1-CN) は分解しなかった。従って, 本酵素はチーズ熟成中のβ-カゼイン (β-CN) の分解に関与しているものと考えられた。

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