西日本畜産学会報
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排卵同期化・定時人工授精による乳牛の分娩間隔短縮
横山 学原田 美奈子梅田 剛利浅岡 壮平柿原 孝彦古賀 康弘
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2006 年 49 巻 p. 87-91

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抄録

排卵同期化・定時人工授精 (OVSYNCH/定時AI) がホルスタイン種泌乳牛の分娩間隔に及ぼす影響を検討するとともに, TDN充足率の違いとOVSYNCH/定時AI成績との関係を調査した.分娩後7週におけるTDN充足率で90%以上と90%未満に区分けし, さらに, それぞれを分娩後60日からOVSYNCH/定時AIする区と自然発情時に人工授精する区に区分けした ( (1) 90以上OV区, (2) 90未満OV区, (3) 90以上無処理区, (4) 90未満無処理区) .その結果, 受胎に要した授精回数, 受胎率, 分娩間隔は, 90以上OV区が最も優れ (1.3回, 83.3%, 382.5日) , 乳代損益の試算においても90以上OV区が最も高い値を示した.TDN充足率が90%以上もしくは90%未満のいずれの場合でもOVSYNCH/定時AIは分娩間隔の短縮に有効であったが, 泌乳初期のエネルギー不足を緩和した上でOVSYNCH/定時AIを行うことが最も効果的であると考えられた.

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