西日本畜産学会報
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沖縄県における肉用牛ふん堆肥の特性と腐熟度評価
宮城 尚玉城 政信小尾 岳士川本 康博仲田 正仲地 宗俊
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2006 年 49 巻 p. 97-102

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抄録

沖縄県の比較的大規模な肉用牛繁殖農家で調製される堆肥の利用状況を調べると共に, 出荷時の堆肥の腐熟度を評価するため, 現地における腐熟度判定基準による評価, 成分含量, 抽出液を用いた発芽試験および施用に伴う植物体の生長に及ぼす効果について調査した.
試験区は採取した堆肥を水分含量で70%を基準に高水分区と低水分区とに設定し, 堆肥の腐熟度の指標となるいくつかの項目で総合的に判断した.その結果, 低水分区の評価値は高水分区より高く, コマツナの地上部成長量に対する施用試験でも相応する結果が得られた.しかし, 現地における腐熟度判定基準による評価と地上部生長量との関係は, 一定の評点 (約80点) までは直線的に増加するものの, それ以上の評点と地上部生長量には相関は認められなかった.以上のことから, 堆肥の腐熟度を評価するに際しては, 化学的並びに物理的成分値からの評価, 植物生長試験からの要因を総合的に評価することが重要と考えられた.

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