2008 年 51 巻 p. 39-42
烏骨鶏の就巣性を除去し, 産卵率を向上させるための基礎的知見を得ることを目的として, 国内の烏骨鶏集団や他の鶏品種におけるプロラクチン遺伝子のプロモーター領域に認められる24-bpの挿入について調査した.その結果, 烏骨鶏では, 24-bpの挿入が存在しない遺伝子 (以下Del) のホモ (Del/Del) 型が46羽 (87%) , 24-bpの挿入が存在する遺伝子 (以下In) とDelのヘテロ (In/Del) 型が7羽 (13%) 認められた.しかしながら, Inのホモ (In/In) 型は1羽も認められなかった.他方, 他の鶏品種では, Del/Del型が11羽 (44%) , In/Del型が8羽 (32%) およびIn/In型が6羽 (24%) 認められた.
また, 烏骨鶏と他の品種における遺伝子型別の期待数と観測数を比較するために, 2x3分割表を用いたカイ自乗検定を行ったところ, カイ自乗値は20.1となり, 1%水準で有意となった.すなわち, プロラクチン遺伝子のプロモーター領域における24-bpの挿入に関する遺伝子型頻度は, 烏骨鶏と他の鶏品種間において有意な差異があることが明らかとなった.