西日本畜産学会報
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黒毛和種去勢牛の枝肉発育に対するビタミンCおよび補助飼料給与の効果
坂東島 直人日高 通裕工藤 幸弘矢野 秀雄松井 徹沖永 紀子石田 孝史原田 宏
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2008 年 51 巻 p. 67-73

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抄録

肥育牛に対するビタミンC (V.C) あるいは補助飼料の給与が, 枝肉形質の発育や血漿成分に及ぼす影響について検討した.供試牛には黒毛和種去勢牛43頭を用い, V.Cを一日量30g給与した区 (VC区) , V.C30gと炒り大豆470gを給与した区 (VC大豆区) および対照区とした.V.Cは16.1~24.5ヵ月齢まで給与し, 約29ヵ月齢で屠畜した.試験期間中の増体量は, V.Cを添加した2つの区が対照区よりも大きく, また, 両区の血漿中ビタミンA濃度はV.C添加時期において対照区よりも低くなる傾向がみられた.試験期間中の枝肉形質の相対的発育は, 胸最長筋横断面積 (uMLTA) および脂肪交雑 (uBMS) についてV.Cを添加した2区の超音波測定による増加量が対照区より優れており, uBMSの相対的増加量についてはVC区がVC大豆区よりも大きかった.枝肉格付成績および脂肪酸組成については, 脂肪交雑 (cBMS) およびα-リノレン酸 (C18: 3) 割合においてのみ有意な影響 (P<0.05) が認められ, cBMSは対照区, VC区およびVC大豆区でそれぞれ5.8, 6.8および7.4となり, α-リノレン酸割合はそれぞれ0.14%, 0.15%および0.20%となった.本試験の結果から, 飼料へのV.C添加は体重を増加させ, uMLTAおよびuBMSの成長を向上させる可能性が示唆された.

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