水資源・環境研究
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論説
地球温暖化と世界と日本の水問題
渡邉 紹裕
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2008 年 21 巻 p. 15-24

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抄録
最近、世界各地から、降水や河川・湖沼などの「異変」が頻繁に報道されるようになっている。これらは、地球温暖化の現れとして受け止められることが多い。IPCCの第4次評価報告書が2007年の春から順次発表され、温暖化自体がもはや避けがたい現実であるとの認識が広がって、それに伴う気候変動が、水や食料を含む身近な環境問題とリンクして意識されるようになり、改めて水循環や水資源への関心が高まっている。本稿では、世界と日本の水資源の需給などの実情と管理の課題を概観した上で、地球温暖化に伴う気候変動の影響の見通しを整理する。地球温暖化対策を中心とする地球環境問題への対応は、しばらくは社会的な要請の大きな部分を占めると思われ、その中で地球規模の水循環・水資源が密接に関係した問題として取り上げられることになろう。ここでは、地球温暖化の問題を契機として、水資源を巡る課題を改めて整理する。
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© 2008 水資源・環境学会
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