水資源・環境研究
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研究ノート
地域環境NPO会員の財源志向の変化
NPO法人「びわこ豊穣の郷」を事例として
山添 史郎霜浦 森平塚本 利幸野田 浩資
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2019 年 32 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

本稿では、地域環境NPOの会員がNPOの資金源として、どのような財源を重視するかという財源志向とその変化を明らかにする。NPO法人「びわこ豊穣の郷」の「第Ⅰ期:設立・整備期」「第Ⅱ期:成長・定着期」「第Ⅲ期:成熟・転換期」という3つのフェーズのうち、NPO法人化後の「第Ⅱ期:成長・定着期」「第Ⅲ期:成熟・転換期」の会員の財源志向とその変化について検討する。  「びわこ豊穣の郷」の会員層は、財源志向の相違に基づき、「第Ⅱ期:成長・定着期」には、「自主財源重視層」「手弁当重視層」「外部資金重視層」に区分されたが、「第Ⅲ期:成熟・転換期」には、「支援者重視・手弁当重視層」「自主事業重視層」「外部資金重視層」に区分された。「第Ⅱ期:成長・定着期」には、NPOの自主財源を確保し、独立性を高めようとする志向が多数派となっていたが、「第Ⅲ期:成熟・転換期」には、NPOの賛同者を増やすことで地道に財源を確保し、手弁当による活動を実施することで地域の人たちのとのつながりを強化しようとする連携的な志向が多数派となっていた。

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© 2019 水資源・環境学会
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