抄録
木材-プラスチック複合材料 (混練型WPC) は, 環境適合材料の一つとして世界的に注目されている材料である。WPC はデッキ材等のエクステリア材料が主用途となっているため, 屋外での使用に際しての耐久性の評価に対する関心が高まっている。WPC の耐久性はWPC 中の木材とプラスチックの量比により変化するため, WPC 製品中の木材及びプラスチック含有量を定量する必要が生じている。本研究ではまず, 示差走査熱量分析 (DSC) 法を用いた簡便な手法でWPC 中のプラスチックの定量を試みた。次いで, 非破壊分析法として全反射法によるフーリエ変換赤外分光分析 (FTIR-ATR) 法による木材及びプラスチックの定量分析を試みた。その結果, 示差走査熱量法, 赤外分光分析法, 共に精度の高い検量線を引くことが可能であり, WPC 中の木材やプラスチックの含有量を定量できることが明らかとなった。