国内7か所で木材・プラスチック成形複合材(WPC)の屋外暴露試験を行い,WPC表面に発生する菌類汚染に関して検討を行った。形態学的手法および分子生物学的手法によってWPC表面に発生した表面汚染菌の菌種同定を行ったところ,Aureobasidium pullulansおよびPhaeococcomyces sp. という2種類の表面汚染菌が分離・同定された。また,画像解析手法により,表面汚染菌の地域ごとの発生・増殖量の定量化を試みた。その結果,表面汚染菌の増殖は,WPC が設置された場所の気温および雨量や周辺環境に影響を受けることが示唆されるとともに,表面汚染菌の増殖が屋外暴露1年経過後に飽和もしくは減少に転じることも明らかとなった。また,表面汚染菌の増殖はWPC表面でのランダムな発育箇所の増加と,その発育箇所での増殖の双方に起因することが示唆された。