木材学会誌
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一般論文
タケ稈の化学成分的特徴とクラフト蒸解性
ケナフ靭皮,国産針葉樹および早生広葉樹との比較
金 光范髙橋 史帆中川 明子大井 洋
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2008 年 54 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
茨城県内で採取したタケ(孟宗竹:Phyllostachys pubescens)の稈(カン)部分について,リグニンと構成糖の分析を行ったところ,リグニン含有量はユーカリ材とほぼ同量で,キシラン含有量はケナフ靭皮とユーカリ材よりも高かった。クラフト蒸解における脱リグニンの速さは,ユーカリ材と同等でケナフ靭皮よりも大きいが,パルプ収率はこれらより低かった。カッパー価20程度のタケ稈パルプの収率はスギ材パルプと同程度であった。タケ未漂白パルプの白色度はユーカリおよびケナフ靭皮パルプの白色度より高く,ヘキセンウロン酸含有量は少なかった。タケ稈パルプは酸素漂白においてもユーカリ材パルプおよびケナフ靭皮パルプよりも高い白色度を与えた。
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© 2008 一般社団法人 日本木材学会
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