木材学会誌
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一般論文
スチレン・ブタジエンゴム-ポリエチレングリコール系接着剤を用いた木質ボードの性能に及ぼすオゾン処理の効果
高麗 秀昭小林 正彦角田 惇安田 修長田 剛和
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2009 年 55 巻 5 号 p. 285-292

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抄録

スチレン・ブタジエンゴム-ポリエチレングリコール系接着剤(SP接着剤)が開発され,それを用いた木質ボードが生産されている。本研究では,SP接着剤の改良およびオゾン処理,高マット含水率を用いてボード性能の向上を目指した。SP接着剤の改良により剥離強さ(IB)は約1.44倍になった。さらにオゾン処理によりIBはいっそう高くなった。最適なオゾン添加率は約0.5%であり,改良SP接着剤のIBは約1.35倍になった。その結果,接着剤の改良およびオゾン処理によりIBは約2倍となったため,接着剤を大幅に削減できた。本接着剤は高価であるためこの普及を促進する上で製造コストの低減が重要である。接着の削減によるコスト低下はオゾン処理費用を上回る効果であった。本ボードは厚さ膨張率(TS)が高いが,マット含水率を高めることによりTSも大きく改善した。

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© 2009 一般社団法人 日本木材学会
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