2009 年 55 巻 6 号 p. 356-362
多雪区域に建設された3棟の木造住宅の柱および土台について,柱の座屈応力および土台へのめり込み応力を算出し,許容応力度に対する割合を調べた。調査の結果,柱および土台の負担率(=実在応力/許容応力)は,一部の例外を除くと,荷重と継続期間のいずれの組み合わせにおいても充分に小さいことが示唆された。また,長期荷重および長期積雪荷重においては広い空間を確保するための長い梁を支える柱および土台で相対的に余裕が少ないこと,短期荷重においては大きな耐力を持つ耐力壁を構成する柱および土台でその余裕が少ないことが明らかになった。