抄録
枠組壁工法の耐力壁-床組間では,壁下枠から床組に打たれた釘接合その他の機械的接合耐力と鉛直荷重による摩擦抵抗によってせん断力が伝達される。この研究では枠組耐力壁と床組の小型モデル試験体を用いた静的水平加力試験を実施し,耐力壁-床組間のせん断耐力に及ぼす摩擦抵抗の影響について検討を行った。モデル実験から得られた見かけの摩擦係数は,約0.2から0.35の範囲で大きく変動したが,下限摩擦係数は純粋な摩擦試験で得られる動摩擦係数に比較的近い値となった。この摩擦力は接合耐力に寄与するが,特に履歴減衰特性に大きく影響することがわかった。