木材学会誌
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カテゴリーII
室内空間への木材使用量の違いが二桁加算・減算の作業効率に与える影響
木村 彰孝佐々木 靖小林 大介飯島 泰男谷田貝 光克
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2011 年 57 巻 3 号 p. 160-168

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抄録

木材使用量の異なる室内空間による視覚刺激が二桁加算・減算の作業効率に与える影響を検討した。供試空間はスギ材使用量の異なる4部屋を用いた。被験者は健常な大学生と一般成人の男女12名とし,室内で5分間安静にした後,計算作業を16分間行った。併せて心理評価と生理反応の変化を調べた。室内のイメージを調べた結果,部屋間で「快適性」「雰囲気」のイメージは有意に異なっていた。また,作業開始前の快不快感は有意に異なっていたが,作業終了後は全ての部屋で不快と評価され,部屋間で有意差は認められなかった。唾液アミラーゼ活性は,時間経過に伴う有意な変化は確認されたが,部屋間で有意差は認められなかった。作業効率として回答数と誤答率をみた結果,共に部屋間で有意差は認められず,部屋間での空間のイメージや作業開始前の快不快感の違いは二桁加算・減算の作業効率に影響を及ぼさない可能性が示唆された。

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© 2011 一般社団法人 日本木材学会
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