木材学会誌
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カテゴリーII
促進劣化試験および屋外曝露試験で評価した木材保存剤処理集成材の接着耐久性(第2報)
屋外曝露試験で評価した接着耐久性および促進劣化試験との関係
柳川 靖夫増田 勝則
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2011 年 57 巻 5 号 p. 265-275

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抄録

ラミナを木材保存剤(ACQ,E-NCU,CUAZ2,E-NZN,AAC)で処理して作製した集成材の屋外環境下での接着耐久性を,ブロックせん断試験片を使用して調べた。屋外曝露試験の劣化条件は促進劣化試験よりも緩やかであることを示唆する結果が得られ,屋外曝露試験においては,試験片の幅や密度,あるいは接着剤の種類が接着耐久性に及ぼす影響は促進劣化試験より小さかった。木部破断率は促進劣化試験とほぼ同じ結果が得られ,接着層が確認できない部分を「深木部破断」とした深木部破断率は,促進劣化試験とは異なり顕著な増加を示さず木材の劣化が軽微であったことが示唆された。3種類の解析手法により,1次回帰式を基に促進劣化試験での各処理回数に対応する屋外曝露試験での曝露月数をそれぞれ算出した結果,処理回数もしくは曝露月数を常用対数として計算した場合,実測値を直接対応させて求めた処理回数に対応する曝露月数に最も近い数値を示した。

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© 2011 一般社団法人 日本木材学会
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