抄録
材色は製材品の重要な性質のひとつであるが,乾燥方法と材色の関係を詳細に調べた例は少ない。そこで本研究では,スギ正角材を天然乾燥,中温乾燥,減圧乾燥,高周波乾燥,高温乾燥の5条件で乾燥し,それぞれの材色をイメージング分光装置を用いて精密に測定した。イメージング分光装置は画像を用いた分光測色計であり,スギ材を辺材,心材に区別して測色できることはもちろん,「辺材・早材部」「辺材・晩材部」「心材・早材部」「心材・晩材部」のように,測色部を細かく指定して測色できた。この精密測色により,人工乾燥されたスギ材は天然乾燥に比べて暗色化するが,特に辺材早材部において顕著であること,暗色化の程度は乾燥法によって異なること,高温セット処理を伴う乾燥条件では心材早材部の赤みが選択的に低減するが,一方で辺材部が暗化し黄みを増すので,辺心材のコントラストが小さくなり材色が単調になること,などが明らかとなった。