2014 年 60 巻 6 号 p. 309-318
高温セット処理法は心持ち正角材の人工乾燥技術として普及しているが,梁桁用の心持ち平角材は適切な処理条件が確立されていない。そこで,心持ち平角材の内部割れと表面割れの発生を抑制した高温セット処理技術の開発を目的として,アカマツ・カラマツ・スギ心持ち平角材の高温セット処理条件と断面寸法が内部割れと表面割れの発生に及ぼす影響を分析した。その結果,アカマツとスギは,高温セット処理直後の含水率が内部割れの発生に影響を及ぼすことが示され,高温セット処理中の含水率の計測は,内部割れの発生を抑制する方法として有用な手段の一つであると考えられた。また,高温セット処理条件によらず,アカマツの表面割れはカラマツおよびスギと比較して,大きくなる傾向が示された。さらに,アカマツとスギは断面寸法が大きくなると,表面割れも大きくなる傾向が示された。