抄録
シトカスプルース単板を波形に加工することにより,軽量パネルのコアとして利用可能なハニカム構造体を作製し,パネル厚さ方向の圧縮強度(σc)および圧縮ヤング率(Ec)を測定した。得られたコアの密度(ρc)は10~130kg/m3であった。単板の繊維方向をパネルの厚さ方向に向けたハニカム型波形単板コア(VHC)の比圧縮強度(σc/ρc)は紙製ハニカムのそれの7~20倍であった。単板の繊維方向を波の進行方向に向けた段ボール型単板コア(CVC)のσcやEcは紙ハニカムのそれらと同程度かやや低かったが,降伏に至るまでの歪エネルギーは紙ハニカムのそれの約3倍であった。CVCのρcやσcは波が緻密なほど高かったが,薄い単板を用いて緻密な波形を作るより,厚い単板で粗い波形を作る方がσc/ρcが高かった。複数の単板を積層して成形した場合,欠膠によると思われるσcの低下が認められた。