抄録
青変菌により変色したラジアータパイン材の青変部位の識別にパターン認識の手法を適用した。材表面のデジタルカメラ画像にモザイク処理を行った後,色情報を抽出し,RGB値とL*a*b*表色系の各値を求めた。色情報を要素とする2から6次のベクトル形式のパターンを青変部位と健全部位の識別に用いた。各区画が青変部位かどうかは視覚判定によって決定した。パターン認識にはRCE(restricted coulomb energy)ネットワークを用い,青変部位の一部と健全部位の一部の色情報をネットワークの学習に供し,識別機構を構築した。識別機構の性能は学習に供さなかった未知の区画の識別率によって評価した。パターンベクトルが(G,B,L*,a*)の時に青変部位と健全部位の両方で良好な識別性能を示した。パターンベクトルの次元数の増加に伴い健全部位の正答率が向上し,不明率が低下した。青変部位では次元数が増加しても識別率の平均値はほぼ変わらず,標準偏差が小さくなった。