木材学会誌
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カテゴリーI
ヴァイオリン杢の光反射特性と誘目性の関係
視線追跡および画像解析による評価
加藤 茉里子 仲村 匡司
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2016 年 62 巻 6 号 p. 284-292

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抄録

材面,光源,観察者間の位置の変化によって生じる照りの移動は,木材に特有の光反射特性のひとつである。波状杢は照りの移動を生じやすく,その特殊な外観は様々な木材製品や工芸品の審美的価値に大きく影響する。そのため,メイプル材に現れる波状杢はヴァイオリン杢としてヴァイオリンの裏板に用いられてきた。本研究では,ヴァイオリン杢の外観と誘目性の関係を明らかにするために,照りの移動に関する画像特徴量を10台のヴァイオリンを対象に算出し,照りの移動を再現した動画を観察する観察者の心理反応量と視線の動きを測定した。その結果,1)画像解析によって算出したコントラストスペクトルは照りの移動を説明しうる,2)視線の停留点の分布はヴァイオリン杢ごとに異なるものの,観察者の視線移動は照りの移動に追随する,3)ヴァイオリン杢のコントラストが高いほど「変化に富んだ」印象を与えやすいこと,などが明らかとなった。

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© 2016 一般社団法人 日本木材学会
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