2017 年 63 巻 3 号 p. 131-136
木粉をフィラーとした混練型ウッドプラスチック(以下ウッドプラスチックと略す)を無機フィラー充填プラスチック等の汎用プラスチック分野に展開するために,新たな木粉製造方法の提案とその木粉を利用した複合材の特性を評価した。新たな木粉粉砕方法として,ディスクミルを用いた段階的な湿式粉砕と乾燥及びこの乾燥した木粉を解繊粉砕する手法を提案した。この結果,粒径が均質化した木粉を簡単に得られるとともに,木粉表面に複合材として補強効果が期待できる毛羽立ち(=フィブリル)を形成することが確認された。この木粉を用い,ポリプロピレンと複合化することで,フィブリルの効果と予想される補強効果も実現した。この成果により,機能と均質性を求められる自動車等汎用プラスチック分野にウッドプラスチックが展開できる可能性を見出した。