2019 年 65 巻 2 号 p. 83-92
MDFの耐久性を評価するために21年間屋外に暴露し,その曲げ強さ (Modulus of rupture (MOR)) の低下をベイズ統計で解析した。MDFは21年間の屋外暴露後でも耐久性が示された。MORの分散が不規則に変化するためその事後予測分布は暴露時間によって大きく異なった。そのため,MORの分散を一定としたモデルを用いてMORの事後予測分布をベイズ推定したが,適切な事後予測分布を推定できなかった。そこで,MORの分散の不規則な変化をランダム効果としてこれを組み込んだ階層モデルを構築し,MORの事後予測分布をベイズ推定した。ランダム効果を組み込んだ階層モデルによりMORの事後予測分布を適切に推定することが可能となった。また,分散を一定としたモデルとランダム効果を組み込んだ階層モデルより95%予測区間を推定したが,後者のモデルの方が前者のモデルより適切だった。