木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
Print ISSN : 0021-4795
ISSN-L : 0021-4795
カテゴリーII
木造およびRC造非住宅建築の環境経済評価(第1報)
積上法LCAによるGHG排出量の比較
一宮 孝至大住 政寛小林 靖尚長坂 健司井上 雅文
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 67 巻 1 号 p. 14-19

詳細
抄録

特別養護老人ホームとして使用される延床面積1977.75m2の鉄筋コンクリート造建築,および,同等の規模と機能で設計した木造建築について,材料製造,輸送,建設,解体における温室効果ガス (GHG) 排出量をライフサイクルアセスメントによって算出した。GHG排出量は, 木造建築で592.3 t-CO2eq,鉄筋コンクリート造建築で1155.6 t-CO2eqとなり,木造建築の優位性が示された。木造建築において準耐火構造を耐火構造に変更するとGHG排出量は6.5%増加し,基礎構造を杭基礎に変更するとGHG排出量は8.4%増加するが,木造建築の優位性はそれらの変更後も保たれた。重量カバー率とGHG排出量の関係を検討したところ,軽量な部材であっても原単位の大きな部材の影響が大きいことが確認された。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本木材学会
前の記事 次の記事
feedback
Top