応力波伝播法を用いて既設構造部材の強度を評価するためには,センサの差し込み位置やセンサ間距離に関わらず,一定のヤング率が得られなければならない。そこで,木製土木構造物として用いられるスギ (Cryptomeria japonica),ヒノキ (Chamaecyparis obtusa),アカマツ (Pinus densiflora),カラマツ (Larix kaempferi) を対象にセンサの差し込み位置やセンサ間距離を変化させたときのヤング率を評価した。その結果,センサを表面間よりも木口間に差した方がヤング率は大きくなること,センサ間距離とヤング率には正の相関があることが分かった。そこで,センサの差し込み位置やセンサ間距離に関わらず,ヤング率が一定となる補正式を検討し,樹種別に補正式を求めた。