木材学会誌
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カテゴリーII
芽かきしたセンダンにおける木材性質の樹幹内変動
横尾 謙一郎古閑 美子阪上 宏樹松村 順司
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2021 年 67 巻 4 号 p. 197-207

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抄録

芽かきしたセンダン (Melia azedarach) における木材性質を調べるために,3クローンにおける10年生および16年生の樹幹内変動を検討した。直径成長は良好で,樹幹内の木材性質は,10年生は気乾密度,曲げ弾性率 (MOE) および曲げ強さ (MOR) で,16年生は気乾密度でクローン間差が認められた。気乾密度,MOEおよびMORは地上高に関わらず,髄から樹皮側に向かって高くなる傾向がみられたが,地上高別の平均値では大きな変化は認められなかった。成長初期は地上高が低い部分では気乾比重,MOEおよびMORが低かったが,地上高が低いほど直径成長量が大きかったため,成長に伴い地上高による差が小さくなったと考えられる。センダンの生産目標は末口径30cm以上,長さ4mとしており,生産目標のサイズに仕立てることによって,地上高による差が小さい木材性質の材が収穫できる可能性が高いことが示唆された。

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© 2021 一般社団法人 日本木材学会
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