2022 年 68 巻 1 号 p. 26-35
廃菌床は,キノコの菌床栽培で発生する廃棄物であり,その処理が課題になっている。本研究では,水を溶媒とする2段階温熱水パーコレーションによるシイタケ廃菌床抽出液の生理活性をin vitro試験とヒト皮膚ケラチノサイトHaCaTを用いた細胞試験で評価した。廃菌床の180℃熱水抽出液には高濃度のポリフェノールが含まれており,in vitro試験と細胞試験のいずれにおいても高い抗酸化活性が認められた。したがって,2段階温熱水パーコレーションにより,特に180℃熱水抽出液中に廃菌床における抗酸化性に優れた成分を溶出できることが示唆された。