2022 年 68 巻 1 号 p. 36-42
国産樹種を用いた直交集成板(CLT)のローリングシアー強度を把握するために,国産主要針葉樹種4種(ヒノキ,カラマツ,スギ,トドマツ)のラミナについて,圧縮型のローリングシアー試験を行った。また,含水率がローリングシアー強度に与える影響について検証するために,試験体は3つの異なる湿度環境下(20℃・40%RH,65%RH,80%RH)で調湿を行った。試験の結果,ローリングシアー強度はヒノキ,カラマツ,スギおよびトドマツの順に高く,いずれの樹種においても,調湿条件によるローリングシアー強度への有意な差は示されなかった。また,ヒノキとスギで試験体の気乾密度とローリングシアー強度に相関があったが,カラマツとトドマツでは相関がなかった。