木材学会誌
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カテゴリーIII
面外曲げをうけるカラマツCLTのせん断強度の評価
川合 慶拓高梨 隆也澤田 圭 佐々木 義久佐々木 貴信
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2022 年 68 巻 4 号 p. 179-187

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抄録

カラマツ3層3プライ直交集成板(CLT)に対して3種類のせん断試験を実施し,試験方法がCLTのせん断強度に与える影響と,CLTの直交層を構成するラミナの欠点および幅はぎ接着がせん断強度に与える影響を調べた。その結果,3点曲げ破壊試験と逆対称4点曲げ破壊試験間でせん断強度に差は見られなかったが,圧縮型試験から得られたせん断強度は3点曲げ破壊試験で得られた値と比較して低い値を示した。ラミナの節や幅はぎ接着の存在によるせん断強度への影響は確認されなかった。モンテカルロシミュレーションによって直交層の破壊程度とCLTの最大せん断耐力の関係を調べた結果,CLTの最大せん断耐力は複数枚の直交層ラミナが順次破壊して決定されることが明らかとなった。

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© 2022 一般社団法人 日本木材学会
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