2023 年 69 巻 1 号 p. 23-29
本研究は,高温乾燥によって発生する内部割れについて基礎的な知見を得ることを目的として,心持ち正角に発生した内部割れの位置および形状を分析した。全国9県から調達した,高温セット処理を行ったスギ心持ち正角の乾燥材(断面寸法105×105mm)を用いた。内部割れを含む横断面画像978枚から16947本の内部割れを抽出した。面積および長さの大きな内部割れは正角の対角線上付近に偏在していた。このことは経験的には知られていたが,それを裏付ける結果となった。また,内部割れを近似的にひし形とみなし,割れの幅と長さから面積を計測する方法は妥当であると考えられた。