木材学会誌
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カテゴリーI
中学生を対象とした教室内装における木材使用量の違いが見た目の印象に与える影響の調査
坂口 大和前田 啓恒次 祐子
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2024 年 70 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

中学生が木材使用量の違う教室内装から受ける印象の違い及びその評価構造の検討を目的に,中学2年生208名を対象に写真の主観評価を実施した。教室の内装木質化率(天井・壁面・床の内装仕上げ材料の木材使用面積の割合)の異なる3種類の写真(100% 木質,50% 木質,0% 木質)を作成した。各写真についてSemantic Differential法を用いて21の形容詞対に関する7段階評価を実施し,探索的因子分析(最尤法,バリマックス回転)を行った結果,「空間の嗜好性」「空間の学校らしさ」「空間の物理的特徴」の3因子が抽出された。因子得点の写真間比較では,内装木質化率の高い教室写真ほど「空間の嗜好性」が高く評価されていた。内装木質化された教室写真では「空間の物理的特徴」が高く評価されていた。本研究より,教室の内装木質化のみならず,その割合も中学生が内装の見た目から感じる印象に影響を与えることが示唆された。

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© 2024 一般社団法人 日本木材学会
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