国産早生樹の加工特性の解明を目的として,国産早生樹から厚さ5 mmの板材を送材車付帯鋸盤で製材したときの切削力を測定した。樹種は,コウヨウザン,センダン,フウ,ユーカリ6樹種,ユリノキ,レモンユーカリ,スギとした。送り速度は0.17, 0.33, 0.50, 0.67 m/sとした。主分力は容積密度数の大きい樹種ほど,また,送り速度が大きいほど増加した。背分力と容積密度数の明確な関係は認められなかった。スギと静岡県産のコウヨウザンの背分力は送り速度に依存せず30 N程度となった。熊本県産のセンダンの背分力は送り速度の増加とともに増加したが,フウ,ユーカリ,ユリノキ,レモンユーカリ,千葉県産のコウヨウザン,福岡県産のセンダンでは減少した。ユリノキ,ユーカリ3樹種,コウヨウザン,センダンから厚さ30 mmの板材を製材したときの消費電力を測定し,主分力が大きいほど消費電力も大きいことが確認された。